前置き
これは成功者の美談じゃねえ。
年商1.6億の会社を潰して、2億の負債抱えて、自己破産して、うつ病になって、そっから這い上がって会社作った男の記録だ。
「すごいですね」とか「勇気もらいました」とか、そういう綺麗なリアクション期待して書いてねえからな。泥水すすってでも生きると決めた人間が、実際に何やったかだけ書く。
破産直後 --- 何もない日々
自己破産が確定した日、俺が持ってたのはスマホ1台と、着てる服、それと家のノアだけだった。
銀行口座は凍結。クレカは全滅。住む場所もねえ。
最初にやったのは、親に頭下げて実家に転がり込むこと。20代で出戻り。惨めだろ。経験した奴にしかわかんねえよ、あの空気。
玄関開けた瞬間の親父の目。「お前は何やってたんだ」って。言葉にはしなかったけど、目が全部言ってた。年商1.6億の会社潰して、借金2億抱えて帰ってきた息子。何も言い返せるわけがねえ。
うつ病との戦い
破産後3ヶ月間、ほぼ布団から出られなかった。
メシ食えねえ。風呂入れねえ。ただ天井見てる。天井のシミ、7個。いや8個。何回数えても同じ数にならねえ。「死にたい」って思う瞬間が1日に何十回もある。
でも、死ぬ勇気もなかった。それが正直なところだ。情けねえだろ。死にたいのに死ねないって、一番キツいぞ。
精神科への通院
最初は精神科に行くのすら抵抗あった。「俺はまだ大丈夫」って思いたかった。大丈夫なわけねえのに。
3日間一切メシが喉を通らなくなった時に、さすがにヤバいと思って近くのメンクリに駆け込んだ。待合室の蛍光灯がやたら眩しかった。
診断は「中等度のうつ病」。薬が処方された。最初は副作用がエグかった。吐き気、頭痛。飯食ったら戻す。2週間くらいでやっと落ち着いた。
薬飲み始めてから、少しずつ「死にたい」と思う回数が減った。ゼロにはならねえ。でも、1日50回が10回になるだけで、だいぶ楽になる。その差がデカいんだよ。
ノアがいた
破産が決まる前、ノアを家に迎えた。黒トイプードル。1歳の女の子。
買った時は会社が絶好調だった頃。「家族を増やそう」って嫁と決めた。
破産後、布団から動けなくなった俺の隣に、ノアがずっといた。
家にいる時、ノアが膝の上に乗ってくる。散歩の時間になると玄関でクンクン鳴く。
「この子のために生きなきゃ」
綺麗事に聞こえるかもしんねえけど、マジでそれだけが生きる理由だった時期がある。破産直前にノアを迎えてなかったら、俺は今ここにいねえ。断言する。
破産が決まった後だったら、心情的に犬を飼うって選択はできなかったと思う。会社が傾く前に家にいてくれたから、ノアは「破産後の救い」じゃなくて「破産前から俺の家にいた家族」として、自然に俺の隣にいてくれた。
タイミングって、ほんとに残酷で、ほんとに優しい。
最初の一歩 --- 配信を始めた理由
何かやらないと死ぬと思った。比喩じゃねえ。本当に死ぬと思った。
選んだのが YouTube LIVE。2023年8月。理由は3つ。
- 初期費用ゼロ。スマホ1台ありゃできる
- 顔出し不要。当時は人と目合わせんのも怖かった
- リアルタイム。誰かと繋がれる感覚が、うつの俺には必要だった
YouTube を選んだ理由は、配信の制限が一番ゆるかったから。TikTok LIVE はフォロワー1000人以上必要。YouTube ならアカウント持ってりゃ即時配信できる。
最初の配信、視聴者2人。1人は途中で消えた。
でも、もう1人が「がんばれ」ってコメントしてくれた。
たった4文字。でも、それで続けられた。あの4文字がなかったら今の俺はいねえ。
最初の1ヶ月で学んだこと
配信始めて気づいたのは、「人の話を聞くこと」の価値だ。
借金の話をすると、「実は俺も...」ってコメントが来る。離婚した奴、リストラされた奴、病気で働けねえ奴。
世の中にこんなに苦しんでる人間がいんのかよって驚いた。そして、そいつらが「きこにいの配信見て元気出た」って言ってくれる。
自分が誰かの役に立ってる。うんこ製造機じゃねえ。この実感が、何よりの薬だった。どんな抗うつ剤よりも効いた。
YouTube から TikTok への移行
YouTube は2年やった。半年で登録者1000人。1年で5000人。スーパーチャットで月収20万まで伸びた。
でも頭打ちが来た。20万を超えるためには、毎日3時間以上配信して、視聴者の濃度を上げないと無理。生活はギリギリ。
2025年10月。TikTok LIVE に移行した。
理由は単純。TikTok の方がギフト経済の母数がデカい。YouTube のスーパーチャットは「がっつりファン」しか投げない。TikTok のギフトは「通りすがり」が投げる。母数が違う。
YouTube で2年培った「人と喋るスキル」を、TikTok の母数の大きい場所に持っていけば、月収が上がる。
実際に上がった。
法人化を決めた瞬間
TikTok LIVE で月収が上がってきた頃、自己破産から数年が経ってた。
法人化を考えるきっかけは、税金だった。個人事業主のままだと、所得税が累進課税でガッツリ持っていかれる。月収が安定してきたら、法人化した方が手取りが増える。
でも俺は自己破産した人間だ。法人を作れるのか?
結論から言う。自己破産しても法人は作れる。法律上の制限は一切ない。
ただ、株式会社なら資本金1円から作れるとはいえ、登記費用で約25万かかる。設立後の最低資本金は1円でも、運転資金として最低でも50万は手元にないと回らない。
俺は配信収益と暗号資産の自動売買 bot で稼いだ金で、法人化に必要な金を捻出した。
株式会社終焉祝祭
会社名「株式会社終焉祝祭」。意味は別の記事で書いた。
社長: 俺。従業員: 俺だけ。オフィス: なし。
これでいい。今は「箱」を作ることが目的じゃない。「自分の人生を法人として運営する」ためのインフラを整えるだけ。
設立日、登記完了の通知が届いた日。一人で泣いた。膝にはノアがいた。
3年前、自己破産したスマホ1台の俺が、法人を作った。
「終わった」と思った人生が、ちゃんと再起動した。
今、ここにいる
自己破産後にやったこと、振り返るとこんな感じだ。
- 実家に出戻り(プライドを捨てる)
- 精神科に通う(薬で死にたい気持ちを抑える)
- ノア(破産前から家にいた愛犬)が支えになる
- YouTube LIVE 開始(人と繋がる)
- 配信続ける(収入の種を作る)
- TikTok LIVE 移行(収入を増やす)
- 法人化(システムを作る)
派手な逆転劇じゃない。地味な作業の積み重ね。でも、それが現実だ。
漫画みたいな逆転劇を期待しないでくれ。逆転は地味な作業の総和でしかない。
最後に一つだけ。
破産しても、うつ病でも、何もなくても、生きてりゃ何かは始まる。
死ぬな。続けろ。それだけだ。
この話の続きが聞きたいなら、アジトに来い。名前聞かねーし、いつ抜けてもいい。
